建築事例
そば処 唐松
本棟造りの民家を再生した蕎麦店
【商業施設(リノベーション)】
・・・場所は松本平の南東にある里山で、古い集落の一角。そこにたたずむ本棟造りの民家をお蕎麦屋さんに再生したいと言う。よくある話と思いきや、聞いているうちに不安になった。田舎に生まれ都会に出て長年サラリーマン生活をしていたが、60歳を前に早期退職をして蕎麦屋をやりたいということのようだ。
ある打ち合わせで理想には予算が少し足りないと持ちかけたら、しばらくして銀行でローンを組んだと言う。そして、あの優しい眼差しから出た言葉は「命を渡すから頼む!!」。その瞬間を今でも忘れることはできない。命を賭けてまでやる、その気持ちを裏切ることはできない!と私も覚悟を決めた。それからは私もひるむことなく計画に向きあった。お施主さんはその間、蕎麦打ち修行のため単身で田舎を出ていた。
数ヶ月が過ぎ、再生工事も無事に終わりお店が開店した。最初はともかく、お客さんは日増しに増えていった。あれから約20年。喜寿を迎えたお施主さんは今もますます美味しい蕎麦を打っている。そして奥さんのつくる蕎麦つゆと漬物は、ふるさとのおふくろの味そのものある。・・・住み継ぐ家の物語Ⅱより抜粋
ある打ち合わせで理想には予算が少し足りないと持ちかけたら、しばらくして銀行でローンを組んだと言う。そして、あの優しい眼差しから出た言葉は「命を渡すから頼む!!」。その瞬間を今でも忘れることはできない。命を賭けてまでやる、その気持ちを裏切ることはできない!と私も覚悟を決めた。それからは私もひるむことなく計画に向きあった。お施主さんはその間、蕎麦打ち修行のため単身で田舎を出ていた。
数ヶ月が過ぎ、再生工事も無事に終わりお店が開店した。最初はともかく、お客さんは日増しに増えていった。あれから約20年。喜寿を迎えたお施主さんは今もますます美味しい蕎麦を打っている。そして奥さんのつくる蕎麦つゆと漬物は、ふるさとのおふくろの味そのものある。・・・住み継ぐ家の物語Ⅱより抜粋